結果的にラストライブになったバーミンガム大学 ハイ・ホール
ジョイ・ディヴィジョン、1980年5月2日 バーミンガム大学ハイ・ホールでの最後のライブ
1980年5月2日、ジョイ・ディヴィジョンはバーミンガム大学の学生寮ハイ・ホールで、約300人を前に演奏した。初のアメリカ・ツアーへの出発を控えた時期の公演だったが、5月18日にボーカルのイアン・カーティスが23歳で亡くなり、これがバンドの最後のライブになった。最後の曲はアンコールの「Digital」だった。
公演データ
| 公演日 | [6][4][10][18] |
|---|---|
| 会場 | バーミンガム大学 ハイ・ホール(バーミンガム) |
| 公演名 | 要確認大学での単独公演で、この公演の公演名は見つかっていない。 |
| 区分 | 結果的にラストライブになった |
| ラストライブになった理由 | メンバー死去 [5][4][6] |
| 出演 | Ian Curtis、Bernard Sumner、Peter Hook、Stephen Morris [6][4] |
| 観客数 | 300人 [10] |
| 最後に演奏された曲 | 「Digital」 [4][8][17][12][1] |
| 演奏曲数 | 11曲 |
| 映像化 | 要確認公式の映像作品は見つかっていない。当日の写真は残っている(Birmingham Music Archive)。音源は『Still』(1981年)と『Eternal (Live)』(2026年)に収められた。[10] |
アーティストについて
ジョイ・ディヴィジョンは、1976年にマンチェスター近郊のサルフォードで、ギターのバーナード・サムナーとベースのピーター・フックが結成したバンドだ。まもなくボーカルのイアン・カーティスが加わり、1977年8月にドラムのスティーヴン・モリスが入った[1]。はじめはワルシャワなどと名乗っていた[1][2]。ロックの殿堂によれば、きっかけは1976年にマンチェスターで見たセックス・ピストルズの公演だった[3]。
1978年に自主制作のEPを出したあとファクトリー・レコードに加わり、レーベル最初の作品『A Factory Sample』に「Digital」と「Glass」を提供した[1]。1979年6月のファースト・アルバム『Unknown Pleasures』は、発売当時は全英チャートに入らなかった[2]。シングルに「Transmission」「Love Will Tear Us Apart」がある[1]。
なぜ、これが最後だったのか
バーミンガム大学での公演は、最後のライブとして告知されたものではなかった。バンドは5月19日に初のアメリカ・ツアーへ出発する予定で[4][3]、この公演はその2週間あまり前だった[4]。
1980年5月18日、イアン・カーティスは23歳で亡くなった[5]。
アメリカ・ツアーを含むバンドの予定はすべて取りやめになり[4]、5月2日のバーミンガム大学での公演が、ジョイ・ディヴィジョンの最後のライブになった[6][7]。その後、ジョイ・ディヴィジョンの名前で公演が行われることはなかった[8]。
残るサムナー、フック、モリスの3人は、名前をニュー・オーダーに変えて活動を続け、のちにキーボードのジリアン・ギルバートが加わった[4][3]。名義が変わったため、当サイトではこの公演を「結果的にラストライブになった」に分類している。
この日について伝えられていること
公演は1980年5月2日の金曜日に行われた[4]。会場のハイ・ホールは、1964〜65年に開かれた大学の男子学生寮だった[9]。バーミンガムの音楽の歴史を記録する Birmingham Music Archive によれば、観客は約300人[10]。券は前売りが1.50ポンド、当日が1.75ポンドで、同じファクトリー・レコードのア・サートゥン・レイシオが前座を務めた[4]。当時の学生紙『Redbrick』の評者ジョニー・ジュエルは、会場が学生と学外の客で埋まり、ふらりと足を運んだ客の多くが演奏の質に驚いていたと書いている[6]。
1曲目は、セットリストに「NEW ONE」とだけ書かれた新曲だった。4月にできたばかりの「Ceremony」で[4]、ジョイ・ディヴィジョンがこの曲をステージで演奏したのは、この夜が最初で最後になった[8][6]。続いて「Shadowplay」「A Means to an End」「Passover」「New Dawn Fades」「Twenty Four Hours」「Transmission」「Disorder」「Isolation」と進み、本編は「Decades」で終わった[4][8]。
アンコールの「Digital」が、ジョイ・ディヴィジョンがライブで演奏した最後の曲になった[4]。1978年10月にファクトリーで最初に録音した曲で[4]、レーベル最初の作品『A Factory Sample』にも収められている[1]。この夜は、初めて人前で演奏する新曲で始まり、レーベルで最初に録音した曲で終わったことになる。
演奏はミキシング卓から録音されていた。2026年の公式盤では、1曲目の最初の1分だけ、録音者のわからない客席の録音が使われている[8]。
この公演が残したもの
公演のあと、シングル「Love Will Tear Us Apart」は1980年6月28日付の全英シングル・チャートに初登場して13位まで上がり、2作目のアルバム『Closer』も7月26日付で全英アルバム・チャートに初登場して6位まで上がった[2]。
この夜の録音は、1981年の2枚組アルバム『Still』の片方に収められた。もう片方は未発表のスタジオ録音などで[4][11]、アルバムは全英アルバム・チャートに1981年10月17日付で初登場し、最高5位になった[2]。ただし「Twenty Four Hours」は、当時のジャケットの曲目に載っていない隠しトラックだった[4]。2007年の2枚組CDではこの曲を除く10曲がディスク1に入り[12]、2022年の40周年記念のLPでは11曲すべてが曲目に並んでいる[11]。
1曲目の「Ceremony」は、ニュー・オーダーの最初のシングルになった[6]。1981年3月14日付の全英シングル・チャートに初登場し、最高34位を記録している[13]。
2007年10月5日、カーティスを主人公にした映画『Control』のイギリス公開に合わせて、バーミンガム大学は、ジョイ・ディヴィジョンの最後の公演が学内で行われたことを大学の記録から紹介した[6]。2024年には、大学のブラモール音楽棟で開かれた大学の音楽史の展示「Ceremony: Pop Comes to Campus」で、この公演の写真と当時のセットリストの実物が公開された[10]。
会場のハイ・ホールは、のちに女子寮のリッジ・ホールと合わさってチェンバレン・ホールになった[9][6]。チェンバレン・ホールは2006年に閉じて2014年に取り壊され、跡地には新しい学生寮が建った[14][9]。
2026年9月25日には、ジョイ・ディヴィジョン初の公式ライブ集『Eternal (Live)』が出て、14枚のCDの最後の1枚にこの公演の11曲が収められた[8][7]。同じ年の4月、ロックの殿堂はジョイ・ディヴィジョンとニュー・オーダーを1組として殿堂入りさせると発表した。式典は11月14日にロサンゼルスで開かれる予定だ[15]。
日本では、『Still』の2枚組CDが2008年に『スティル(コレクターズ・エディション)』の題で国内盤として出た[16]。『Eternal (Live)』も『エターナル』の題で、英文の解説の翻訳と歌詞・対訳を載せた別冊をつけた日本向けの仕様で発売され[17]、発売の決定は NME Japan も伝えた[18]。
ジョイ・ディヴィジョンとして最後のステージで初めて披露された曲は、ニュー・オーダーとしての最初の1枚になった。
- 活動期間(1976年〜1980年5月2日)
- ラストライブ
- イアン・カーティスが23歳で死去。
- 初のアメリカ・ツアーに出発する予定だった日。ツアーは行われなかった。
- シングル「Love Will Tear Us Apart」が全英シングル・チャートに初登場(最高13位)。
- 2作目のアルバム『Closer』が全英アルバム・チャートに初登場(最高6位)。
- この公演の録音を片方に収めた2枚組アルバム『Still』が出る。全英アルバム・チャートでは10月17日付で初登場し、最高5位。1年後
- ニュー・オーダーの最初のシングル「Ceremony」が全英シングル・チャートに初登場(最高34位)。バーミンガム大学の公演で1曲目に演奏した曲。1年後
- 『Still』の2枚組CD(コレクターズ・エディション)が出る。ディスク1にこの公演のうち10曲。日本盤は2008年3月5日。27年後
- カーティスを主人公にした映画『Control』のイギリス公開に合わせ、バーミンガム大学が、最後の公演が学内で行われたことを紹介する。27年後
- 会場だったハイ・ホール(のちのチェンバレン・ホール。2006年に閉鎖)が取り壊される。跡地には新しい学生寮が建った。34年後
- 『Still』の40周年記念盤(LP)が出る。曲目にこの公演の11曲すべてが並ぶ。42年後
- Birmingham Music Archive が、大学の音楽史の展示「Ceremony: Pop Comes to Campus」で、この公演の写真と当時のセットリストの実物が公開されていると紹介する。44年後
- ロックの殿堂が2026年の殿堂入りを発表。ジョイ・ディヴィジョンとニュー・オーダーは1組(Joy Division/New Order)として選ばれた。式典は11月14日にロサンゼルスで開かれる予定。46年後
- 初の公式ライブ集『Eternal (Live)』(14CD+2DVD)が出る。CD14にこの公演の11曲を収録。日本では輸入盤国内仕様(WPZR-31117/32)。46年後
本編 アンコール 最後の曲
- Ceremony
- Shadowplay
- A Means to an End
- Passover
- New Dawn Fades
- Twenty Four Hours
- Transmission
- Disorder
- Isolation
- Decades
- アンコールDigital
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Eternal (Live)
14枚組CDとDVD2枚のボックス(邦題『エターナル』、輸入盤国内仕様・完全生産限定盤、参考小売価格3万8500円)。最後のCDがこの公演で、「Ceremony」から「Digital」までの11曲。ミキシング卓の録音で、1曲目の最初の1分だけ、録音者不明の客席の録音を使っている[^src_shorefire_eternal_2026]。DVDはほかの公演の映像[^src_stereogum_eternal_2026]。国内盤には英文解説の翻訳と歌詞・対訳の別冊がつく[^src_rakutenbooks_eternal]
Still
2007年の2枚組CD(輸入盤)。ディスク1の11〜20曲目に、この日の11曲のうち「Twenty Four Hours」を除く10曲が入っている[^src_tower_still_ce_import]。原盤は1981年の2枚組LPで、その片方がこの公演[^src_radiox_jd]。日本盤(WPCR-12842、2008年)は、確認した時点(2026年10月)では注文できなかった[^src_tower_still_ce_jp]
出典
- Joy Division 1976 - 1980 — Science Museum Group Collection
- JOY DIVISION songs and albums — Official Charts Company
- Joy Division/New Order — Rock & Roll Hall of Fame
- What did Joy Division play at their last ever gig? — Radio X (Martin O'Gorman), 2026年5月2日
- Today in Music History: Remembering Ian Curtis — The Current (Minnesota Public Radio), 2018年5月18日
- University gets closer to iconic band's swan song — University of Birmingham, 2007年10月5日
- Joy Division Announce First-Ever Live Collection Featuring Previously Unreleased Recordings — Stereogum (Chris DeVille), 2026年6月25日
- Joy Division Announce Eternal (Live), Their First Official Collection Of Live Concert Recordings — Shore Fire Media (for Rhino), 2026年6月25日
- History of Halls — Old Joe (University of Birmingham alumni magazine), Spring 2018, 2018年
- Ceremony: Pop Comes to Campus — Birmingham Music Archive (Jez Collins), 2024年10月10日
- Joy Division's Still reissued in 40th anniversary edition — The Vinyl Factory
- Joy Division/Still (Remaster) — タワーレコード
- NEW ORDER songs and albums — Official Charts Company
- Chamberlain first block reaches the top — University of Birmingham, 2014年12月1日
- THE ROCK & ROLL HALL OF FAME REVEALS 2026 INDUCTEES — Rock & Roll Hall of Fame (PR Newswire; AAP), 2026年4月14日
- Joy Division/スティル(コレクターズ・エディション)<初回生産限定盤> — タワーレコード
- エターナル (完全生産限定盤 14CD+2DVD) — 楽天ブックス
- ジョイ・ディヴィジョン、ライヴ音源による14CD+2DVDのボックスセットがリリース決定 — NME Japan, 2026年6月26日
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