結果的にラストライブになったベネダム・センター
ボブ・マーリー、1980年9月23日 ピッツバーグのスタンリー・シアターでの最後のコンサート
1980年9月23日、ボブ・マーリーはザ・ウェイラーズとともに、米国ペンシルベニア州ピッツバーグのスタンリー・シアターで「アップライジング・ツアー」の公演を行った。このあとツアーの残りの日程は取りやめになり、翌1981年5月11日に36歳で亡くなったため、これが最後のコンサートになった。最後の曲は「Get Up, Stand Up」だった。

公演データ
| 公演日 | [1][14][10][6] |
|---|---|
| 会場 | ベネダム・センター(ピッツバーグ)公演当時の名称はStanley Theatre |
| 公演名 | 要確認ツアーの1公演で、この公演だけの公演名は見つかっていない。 |
| ツアー | アップライジング・ツアー [14][20][3][6] |
| 区分 | 結果的にラストライブになった |
| ラストライブになった理由 | 死去 [2][1][6][7] |
| 出演 | Bob Marley、Aston Barrett、Carlton Barrett、Tyrone Downie、Earl Lindo、Junior Marvin、Al Anderson、Alvin Patterson、Rita Marley、Marcia Griffiths、Judy Mowatt [12][13][7][6] |
| 観客数 | 要確認観客数の発表・報道は確認できていない。チケットは売り切れで(TribLIVE、Best Classic Bands)、マネージャーのコールは満員だったと話している(Jamaica Observer)。劇場の席数は、1928年の開場時で約3,800(Pittsburgh Magazine)。American Songwriter(2023年)は3,500人と書くが、根拠は示されていない。[10][11][6][9][25] |
| 最後に演奏された曲 | 「Get Up, Stand Up」 [15][16][14][17][10][7] |
| 演奏曲数 | 19曲セットリストを見る ↓ |
| 映像化 | 要確認この公演の公式の映像作品は見つかっていない。観客のデヴィッド・ミーアマン・スコットが撮った写真は残っている(TribLIVE)。音源は2011年に公式盤『Live Forever』として出た(公式サイト)。[10][14] |
アーティストについて
ボブ・マーリーは1945年2月6日、ジャマイカのナイン・マイルズに生まれた。1963年にバニー・ウェイラー、ピーター・トッシュとザ・ウェイリング・ウェイラーズを結成し、1972年にアイランド・レコードと契約、1973年に『Catch A Fire』を出した[1]。1974年にはエリック・クラプトンが取り上げた「I Shot the Sheriff」が全米1位になり、同じ年にバニーとトッシュが抜けた。以後はボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズとして活動する[2]。ロンドンで録ったライブ盤からは「No Woman, No Cry」が全英トップ40に入り、1977年の『Exodus』は全英チャートに56週続けて入った[1]。1978年4月22日にキングストンで開かれた「ワン・ラヴ・ピース・コンサート」では、対立する2つの政党の党首をステージで握手させている[2][1]。1979年4月には日本、オーストラリア、ニュージーランドを回った[1][2]。
なぜ、これが最後だったのか
1980年4月、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズはジンバブエの独立式典で演奏した[1]。6月10日にはアルバム『Uprising』を出している[3]。生前に出た最後のスタジオ・アルバムで、シングル「Could You Be Loved」は全英5位まで上がった[4]。
アルバムに合わせた「アップライジング・ツアー」は、5月30日から7月13日までヨーロッパを回った[3]。ヨーロッパでの公演は34回を数える[5]。公式サイトによれば、ミラノでは11万人を前に演奏し、これがキャリアで最も多い観客になった[1]。
米国の日程は9月16日にボストンで始まり、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでは2夜続けて売り切れた[1]。9月に米国で行ったのは5公演で[3]、23日のピッツバーグがその最後になった[1]。マーリーのマネージャーで親しい友人でもあったアラン・"スキル"・コールは、ピッツバーグのあとの日程は自分が取りやめたと話している[6]。コーラスのジュディ・モワットは、残りのツアーは中止だとツアー・マネージャーから告げられたと振り返る。次の日程でもまた一緒に歌うと思っていたという[7]。
マーリーは1981年5月11日、36歳で亡くなった[2]。ピッツバーグの夜は最後の公演として告知されたものではなかったが、公式サイトはこれを、キャリア最後のステージとして記している[1]。
この日について伝えられていること
スタンリー・シアターは、1928年2月27日にピッツバーグの中心部で開場した映画館だった[8]。開場時の席数は約3,800で、西ペンシルベニアで最大の映画館だった。のちにはグレイトフル・デッド、フランク・ザッパ、プリンスらのコンサートも開かれている[9]。1977年に興行会社のディチェザレ・エングラー・プロダクションズが買い取り、1982年までロックの公演を組んだ[8]。
この夜のチケットは売り切れ[10][11]、コールも満員の客席を覚えている[6]。公式盤のクレジットによれば、マーリーのうしろには、アストン・"ファミリー・マン"・バレット(ベース)、カールトン・バレット(ドラム)らザ・ウェイラーズの7人と、リタ・マーリー、マーシャ・グリフィス、モワットの3人のコーラス・グループ、アイ・スリーズが並んだ[12][13]。
公式盤に残るセットリストは、短いトラック「Greetings」のあと「Natural Mystic」で始まり、「Positive Vibration」「No Woman, No Cry」「Jamming」「Exodus」など19曲が続く[14]。新作『Uprising』からは「Zion Train」「Redemption Song」「Coming in from the Cold」「Could You Be Loved」「Work」の5曲を演奏した[4]。
当時ケニオン大学の学生だった観客のデヴィッド・ミーアマン・スコットによれば、マーリーは「Redemption Song」をひとりアコースティック・ギターで歌ったとき以外、約90分のあいだ踊り続けていた。アンコールは3回あった[10]。モワットも3回のアンコールを覚えている[7]。この公演のプロモーター、リッチ・エングラーが最も記憶に残る演奏として挙げたのも「Redemption Song」だった[11]。
最後に演奏されたのは、1973年のアルバム『Burnin'』の曲「Get Up, Stand Up」だった[15][16][17]。
この公演が残したもの
この夜の録音は、たびたび海賊盤で出回ってきた[12]。2010年12月、レーベルのタフ・ゴングが公式盤の発売を発表し[18]、2011年2月に『Live Forever: The Stanley Theatre, Pittsburgh, PA, September 23, 1980』が2枚組CDで出た。3枚組LPを加えたスーパー・デラックス・エディションもある[19]。日本盤は4月27日に『ライヴ・フォーエヴァー~ピッツバーグの奇跡』の題で出た[20]。Relix のレビューは、初期の曲が中心のライブ盤『Babylon by Bus』と比べて、後期の曲作りがよく分かるセットだと評した[15]。
公演から30年の2010年には、この夜を振り返るトリビュートの催しを Pittsburgh Post-Gazette が伝えた[21]。スコットが客席で撮った写真は、2012年のドキュメンタリー映画『Marley』の制作陣に提供された[10]。同じ年、米国の公共ラジオは、この公演の音源とリタ・マーリー、マーシャ・グリフィスらのインタビューで作った1時間の特別番組『Bob Marley - Live Forever』を紹介している[22]。公演から39年の2019年9月23日には、遺産管理側の公式 Twitter が記念の投稿をした[10]。
最後のツアーの映像としては、6月13日のドルトムント公演が、ドイツのテレビ番組「ロックパラスト」の撮影で『Uprising Live!』として出ている[3][23]。
スタンリー・シアターは、ピッツバーグ文化トラストの最初の事業として4,300万ドルをかけて修復され、1987年9月25日にベネダム・センターとして開場した[8]。いまは約2,800席の劇場として使われている[24]。
1980年9月23日のピッツバーグで、ボブ・マーリーのステージは「Get Up, Stand Up」で終わった。
セットリスト
19曲 [14][20][19][12][4][10][17]本編 アンコール 最後の曲
- Greetings
- Natural Mystic
- Positive Vibration
- Burnin' and Lootin'
- Them Belly Full
- The Heathen
- Running Away
- Crazy Baldhead
- War / No More Trouble
- Zimbabwe
- Zion Train
- No Woman, No Cry
- Jamming
- Exodus
- Redemption Song
- Coming in from the Cold
- Could You Be Loved
- Is This Love
- Work
- Get Up, Stand Up
もうひとつの終演を読む
最後だと知られずに迎えた夜が、ほかにもあります。
- 活動期間(1962年〜1980年9月23日)
- ピッツバーグ公演のあと、ツアーの残りの日程が取りやめになる。マネージャーのアラン・"スキル"・コールが、プロモーターのダニー・シムズに伝えた。
- ラストライブ
- ボブ・マーリーが36歳で死去。1年後
- ピッツバーグ文化トラストが4,300万ドルをかけて修復したスタンリー・シアターが、ベネダム・センターとして開場する。7年後
- Pittsburgh Post-Gazette が、公演から30年の節目に、この夜をトリビュートで振り返る催しがあると伝える。30年後
- この公演の録音が、公式のライブ盤『Live Forever: The Stanley Theatre, Pittsburgh, PA, September 23, 1980』として出る。2枚組CDと、3枚組LPを加えたスーパー・デラックス・エディション。31年後
- 日本盤『ライヴ・フォーエヴァー~ピッツバーグの奇跡』(2枚組CD)が出る。31年後
- 観客のデヴィッド・ミーアマン・スコットが当夜に撮った写真を、ドキュメンタリー映画『Marley』の制作陣に提供する。32年後
- 米国の公共ラジオで、この公演の音源と、リタ・マーリー、マーシャ・グリフィスらへのインタビューで作った1時間の特別番組『Bob Marley - Live Forever』が紹介される(NHPR)。32年後
- 最後のツアーのうち、6月13日のドルトムント公演(ドイツのテレビ番組「ロックパラスト」が撮影)の映像が『Uprising Live!』として出る(ピッツバーグ公演の映像ではない)。34年後
- 公演から39年の日に、遺産管理側の公式 Twitter が『Live Forever』のジャケットを添えてこの夜を振り返る。39年後
映像を見る・買うPR
このリンクから商品を購入されると、当サイトに紹介料が支払われることがあります。 詳しく
Live Forever: The Stanley Theatre, Pittsburgh, PA, September 23, 1980
日本盤の2枚組CD(邦題『ライヴ・フォーエヴァー~ピッツバーグの奇跡』)。1枚目12トラック、2枚目8トラックの計20トラック[^src_umj_liveforever]。発売の告知で The Second Disc は、セットリスト全体を2枚に収めると書いた[^src_seconddisc_liveforever_2010]が、公式サイトとユニバーサル ミュージックの商品説明には全編との明記がない[^src_bobmarley_liveforever][^src_umj_liveforever]。原盤は2011年2月に出た[^src_seconddisc_liveforever_2010]。日本では2011年5月11日に、3枚組LPを加えたスーパー・デラックス・エディション(UICY-75024)も出た[^src_billboardjapan_liveforever_sde]。2026年10月の時点で、ユニバーサル ミュージックの通販では通常盤が在庫なしになっている[^src_umjstore_liveforever]。
出典
- History — Bob Marley Official Website
- BIOGRAPHY - BOB MARLEY — UNIVERSAL MUSIC JAPAN
- Uprising Live! DVD + 2CD — Bob Marley Official Store
- Uprising (1980) — Bob Marley Official Website
- ‘Uprising Live!’: The Story Of Bob Marley’s Final Tour — uDiscover Music (Ian McCann), 2025年6月13日
- Marley's last show — Jamaica Observer (Brian Bonitto), 2021年4月8日
- Judy Mowatt Recalls Bob Marley's Final Concert In Pittsburgh — DancehallMag (Claude Mills), 2021年5月11日
- Benedum Center History — Pittsburgh Cultural Trust
- Pittsburgh Then and Now: The Stanley Theatre — Pittsburgh Magazine (Richard Cook), 2019年2月25日
- Bob Marley estate remembers the legend's last show, in Pittsburgh 39 years ago — TribLIVE (Stephen Huba), 2019年9月
- Sept 23, 1980: Bob Marley's Final Show — Best Classic Bands, 2015年8月14日
- Live Forever: The Stanley Theatre, Pittsburgh (Bob Marley & the Wailers; review by David Jeffries, credits) — AllMusic
- Live forever : the Stanley Theatre, Pittsburgh, PA, September 23, 1980 (catalog record) — Library catalog (corvallis.aspendiscovery.org)
- Live Forever (2011) — Bob Marley Official Website
- Bob Marley & the Wailers: Live Forever – The Stanley Theatre, Pittsburgh, PA September 23, 1980 — Relix (Glenn BurnSilver), 2011年3月25日
- Live Forever: The Stanley Theatre, Pittsburgh, PA, September 23, 1980 (2CD) — uDiscover Music Shop (Universal Music Group)
- Bob Marley — Rock & Roll Hall of Fame
- Último show de Bob Marley será lançado em CD — Rolling Stone Brasil, 2010年12月14日
- Bob Marley to “Live Forever” on New Live Set — The Second Disc (Mike Duquette), 2010年12月14日
- ライヴ・フォーエヴァー~ピッツバーグの奇跡 [通常盤][CD] — UNIVERSAL MUSIC JAPAN(商品ページ)
- Reggae legend's final concert, 30 years ago in Pittsburgh, will be remembered with tribute — Pittsburgh Post-Gazette, 2010年9月23日
- Bob Marley and The Wailers - Live Forever — New Hampshire Public Radio (NHPR), 2012年2月13日
- Music DVDs — The Austin Chronicle (Raoul Hernandez), 2014年12月18日
- Benedum Center — Pittsburgh Cultural Trust (Cultural District)
- Remember When: Bob Marley Performs Final Concert — American Songwriter (Nancy Dunham), 2023年10月4日
- ライヴ・フォーエヴァー~ピッツバーグの奇跡 — Billboard JAPAN(商品ページ)
- ライヴ・フォーエヴァー~ピッツバーグの奇跡<スーパー・デラックス・エディション> — Billboard JAPAN(商品ページ)
- ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ / ライヴ・フォーエヴァー~ピッツバーグの奇跡【通常盤】【CD】 — UNIVERSAL MUSIC STORE(商品ページ)
更新履歴
- ページ作成




