ラストライブとして行われた沖縄コンベンションセンター 展示棟
安室奈美恵、2018年9月15日 沖縄コンベンションセンター「前夜祭」のステージ
2017年9月、40歳の誕生日に引退を発表した安室奈美恵は、2018年6月の東京ドームでラストツアーを終えたあと、引退前日の9月15日、故郷沖縄の宜野湾市で開かれた音楽イベントのステージに立った。これが最後のライブになった。最後に歌ったのは「How do you feel now?」だった。
公演データ
| 公演日 | [8][14][1] |
|---|---|
| 会場 | 沖縄コンベンションセンター 展示棟(沖縄県宜野湾市) |
| 公演名 | WE♡NAMIE HANABI SHOW 前夜祭 ~I♡OKINAWA/I♡MUSIC~ [8][10][11] |
| 区分 | ラストライブとして行われた |
| 終わった理由 | 引退 [4][5][1] |
| 出演 | 安室奈美恵、平井堅、蔡依林、山下智久、DOUBLE [15][12][13] |
| 観客数 | 3,500人 [8][14][11] |
| 最後に演奏された曲 | 「How do you feel now?」 [15][13][12] |
| 演奏曲数 | 8曲 |
| 映像化 | あり [11][12][13] |
アーティストについて
安室奈美恵は沖縄県出身の歌手だ[1]。1992年、14歳でSUPER MONKEY'Sの一員としてデビューし、1995年から小室哲哉のプロデュースを受けた。同年12月の「Chase the Chance」で初めてオリコン週間1位を取り、1997年の「CAN YOU CELEBRATE?」は229.6万枚と、自身最大のヒット曲になる[2]。日本レコード大賞は1996年に史上最年少で受け、翌年も続けて受賞した[3]。厚底ブーツやミニスカートなど、彼女の装いをまねる「アムラー」は、1996年の新語・流行語大賞のトップテンに入った[2]。
2001年に小室のプロデュースを離れると[2]、2003年にはZeebraやVERBALらとのユニットSUITE CHICで、R&Bやヒップホップに踏み込んだ。やがてテレビの音楽番組にはほとんど出なくなり、活動の軸をコンサートに置く。曲の合間に話をせず、2時間近くを歌と踊りに集中するステージは、スポーツにたとえられることもあった[4][3]。
なぜ、これが最後だったのか
2017年9月16日、デビュー25周年の記念ライブを沖縄で開いた[5]4日後、40歳の誕生日の9月20日に、安室奈美恵は公式サイトで引退を発表した[4]。引退の日はデビュー記念日の2018年9月16日[2]。その日を自分らしく迎えたい、と書き添えていた[5]。
最後の1年に出したオールタイム・ベストアルバム『Finally』は200万枚を超えた[2]。2018年2月からのラストツアー「namie amuro Final Tour 2018 ~Finally~」は国内17公演・アジア6公演で約80万人を集め、曲目はファン投票の上位24曲と『Finally』の新曲6曲で組まれた[6]。国内のドーム公演の75万人は、国内のソロアーティストとして最多だったと琉球新報は伝えている[5][1]。最終公演は6月3日の東京ドームで、通算716本目のライブだった。ふだんMCをしない彼女はこの日、最後に感謝の言葉を述べ、マイクを握ったまま両手を掲げて、笑顔でステージを降りた[7][4]。
8月21日、引退前日の9月15日に宜野湾市で開かれる音楽イベントへの出演が発表された。所属レコード会社によれば、最後のステージになるとみられた[5]。会場の沖縄コンベンションセンターは、1995年12月にSUPER MONKEY'Sとともに初めて沖縄で凱旋ライブを開いた場所でもある[4]。柴那典は、ファンと過ごす最後の場所が沖縄になったことについて、笑顔で終わることが大きなポイントだったと書いている。本人もNHKの取材に、笑顔で始まった沖縄で、歌と笑顔で終わりたかったという趣旨を語った[4]。
ツアーは東京ドームで終わったが、最後に立ったステージは宜野湾だった。このページは、その引退前日のステージを扱う。
この日について伝えられていること
9月15日(土)、会場は沖縄コンベンションセンターの展示棟[8][9]。翌日に開かれる、彼女の曲に合わせた花火ショー「WE♡NAMIE HANABI SHOW」の前夜祭として、セブン-イレブン・ジャパンなどが主催したイベントだ[5][8]。チケットは税込9,800円の抽選で[10]、当選した約3,500人が県内外から集まった。会場の外にもチケットのないファンが詰めかけ、漏れてくる歌声に耳を傾けた[8]。ライターの伊藤博伸は、屋内の会場の外にこれほどの人が集まり、静かに音を聴こうとするのは珍しいと話している[9]。
イベントは2時間を超えた[11]。先に平井堅、MONGOL800、BEGINがステージを務め、3組とも安室奈美恵の曲を1曲ずつカバーした[12][13]。BEGINの比嘉栄昇は、本土で沖縄が「アメリカ」と言われていた時代に、彼女が沖縄の印象を変えてくれたと語った[14]。
安室奈美恵のステージはMCなしの40分。「Hope」「Showtime」をソロで歌うと、ゲスト4組と1曲ずつ共演した[15][13]。平井堅と「グロテスク」、台湾出身のジョリン・ツァイと「I'm Not Yours」を歌い[12]、2011年に発表した「UNUSUAL」[16]では山下智久がサプライズで登場した。2人がステージで共演するのはこれが初めてだった。「BLACK DIAMOND」を一緒に歌ったDOUBLEのTAKAKOは、彼女に駆け寄って強く抱きしめた[15][12]。
再びソロで歌った「Do It For Love」では、感謝の言葉がモニターに映った[13]。彼女は笑顔で腕を振り上げ、「騒げ沖縄!」と叫んだ。最後の曲は、前年に小室哲哉と16年ぶりに組んだ「How do you feel now?」。歌い終えると、出演者全員が手をつないで高く掲げた。客席へのあいさつは、「本当に本当にありがとうございました」だけだった[15]。報道機関の撮影は許されず、写真は翌日の夜に安室の側から配られた[1]。
この公演が残したもの
翌16日、宜野湾市のトロピカルビーチで開かれた花火ショーには3万人以上が集まった。安室奈美恵はこの日に引退し、深夜、公式サイトに25年間の感謝をつづった[1]。
前夜祭のライブDVDは、発売の予定がないと告知された[11]。かわりに9月29日から、Huluのドキュメンタリー『Documentary of Namie Amuro "Finally"』の最終回で、約2時間のライブの完全版が独占配信された。「UNUSUAL」の配信は最初の2週間だけだった[12]。番組には本番前の円陣や、最後の舞台をフェスにした理由を語る場面も収められた[13]。
花火ショーはその後も開かれた。引退から1年の2019年9月16日には、琉球新報が「ラストライブ地」と呼ぶコンベンションセンターの周辺に全国からファンが集まった[17]。故郷に何かを残したいという彼女の思いから始まった花火は、引退から5年の2023年9月で終わり、2024年にはその思いを受け継ぐ「沖縄かなさ花火」の開催が発表された[18]。
引退の発表から間もなく、J-CASTのコラムは、1980年に武道館でマイクを置いて去った山口百恵を思い起こしている[19]。柴那典は、涙で別れを告げた百恵と、笑顔でステージを降りた安室の去り際を比べれば、昭和から平成へ、社会や女性の生き方がどう変わったかを考えられるのではないかと書いている[4]。
MCのない40分の最後に、彼女が客席に残した言葉は、感謝のひとことだけだった。
- 活動期間(1992年9月16日〜2018年9月15日)
- SUPER MONKEY'Sとともに沖縄コンベンションセンターで、初めての沖縄凱旋ライブ。
- 沖縄でデビュー25周年の記念ライブ(野外)。
- 40歳の誕生日に、公式サイトで2018年9月16日の引退を発表。
- オールタイム・ベストアルバム『Finally』発売。200万枚を超える。
- ラストツアー「namie amuro Final Tour 2018 ~Finally~」開始(国内17公演・アジア6公演、約80万人)。
- 沖縄県民栄誉賞を受ける。
- 東京ドームでツアー最終公演。通算716本目のライブ。
- 9月15日の「WE♡NAMIE HANABI SHOW 前夜祭」への出演が発表される。
- ツアーの映像作品(DVD・Blu-ray)発売。発売3日間で109.1万枚と、音楽映像作品で初めてミリオンを超える。
- ラストライブ
- 引退。宜野湾市のトロピカルビーチで花火ショー「WE♡NAMIE HANABI SHOW」が開かれ、3万人以上が集まる。深夜、公式サイトに25年間の感謝のコメント。
- Huluのドキュメンタリーの最終回で、前夜祭のライブ映像(約2時間)の独占配信が始まる。
- 引退から1年。沖縄コンベンションセンター周辺に全国からファンが集まり、手紙の投函式や花火ショーが開かれる。1年後
- 花火ショー「WE♡NAMIE HANABI SHOW」が、引退から5年で終わる。5年後
- その思いを受け継ぐ花火イベント「沖縄かなさ花火」(9月14日)の開催が発表される。6年後
本編 最後の曲
- Hope
- Showtime
- グロテスク
- I'm Not Yours
- UNUSUAL
- BLACK DIAMOND
- Do It For Love
- How do you feel now?
映像を見る・買う
Documentary of Namie Amuro "Finally" エピソード13(最終回)
Huluのドキュメンタリーの最終回として独占配信された、約2時間のライブ映像の完全版(安室奈美恵の8曲と、平井堅・MONGOL800・BEGINのステージ)。山下智久との「UNUSUAL」は最初の2週間だけの配信だった[^src_phileweb_amuro_2018]。DVDなどのパッケージは出ていない(当時「ライブDVDの発売予定はない」と告知)[^src_avwatch_amuro_hulu_2018]。現在も配信されているかは確認できていない。
出典
- 「ファンと寄り添えたなら嬉しい」 安室奈美恵さんが引退 — 琉球新報(与那嶺明彦), 2018年9月17日
- 安室奈美恵、引退まで残りわずか 売上記録から見る25年の功績 — ORICON NEWS(オリコン), 2018年
- <社説>安室奈美恵さん引退へ 時代を象徴した歌姫伝説 — 琉球新報(社説), 2017年9月22日
- 「他人事みたいな部分がありました」安室奈美恵が抱えていた歌手活動の意外な悩み…苦心の果てに辿り着いた“転機”とは — 文春オンライン(柴那典『平成のヒット曲』より), 2021年12月6日
- 安室ちゃん沖縄でラストライブ 引退前日の9月15日 — 琉球新報(宮城久緒), 2018年8月22日
- 安室奈美恵、ラストドームツアー映像化決定 豪華3公演を収録<namie amuro Final Tour 2018 ~ Finally ~> — モデルプレス, 2018年6月3日
- Hulu、安室奈美恵ファイナルツアーの全貌に迫る。ダンサーが語る秘話も【エンタメCLIP】 — AV Watch, 2018年6月28日
- 「本当に本当にありがとう」 安室奈美恵さん、感謝のラストライブ パワフルに全8曲を歌いきる — 琉球新報(宮城久緒), 2018年9月15日
- 安室ちゃんラストライブ、あの会場周辺で何が起こっていた!?【島ネタCHOSA班】 — 琉球新報(週刊レキオ 2018年9月27日掲載), 2018年10月1日
- 安室さん公演「うれしい」 沖縄のファン歓喜 — 琉球新報, 2018年8月23日
- 安室奈美恵のラストライブ、Huluで29日独占配信 — AV Watch(阿部邦弘), 2018年9月18日
- 安室奈美恵のラストライブ完全版、Huluで9月29日から独占配信 — PHILE WEB, 2018年9月28日
- 安室奈美恵さん、花火ショーで大粒の涙…「なぜ最後をフェスにしたのか?」ラスト1ヶ月で語った思い — モデルプレス, 2018年9月28日
- 輝き、勇気 ありがとう 安室さん 故郷沖縄で最終公演 あふれるファン「ナミエ」コール — 琉球新報(宮城久緒), 2018年9月16日
- 最後まで格好良く「騒げ沖縄!」 安室奈美恵さん 15日のライブ — 琉球新報, 2018年9月17日
- 安室奈美恵ベストコラボアルバム『Checkmate!』に山下智久が参加、新曲4曲のアーティスト判明 — ORICON NEWS, 2011年2月17日
- 「歌姫」聖地に全国からファン集結 安室奈美恵さん引退から1年 宜野湾♡ポストに長蛇の列、花火ショーも — 琉球新報, 2019年9月17日
- WE♥NAMIEから沖縄かなさへ『沖縄かなさ花火 supported by セブン-イレブン・沖縄』9月14日(土)開催決定! — 沖縄タイムス社(共同通信PRワイヤー), 2024年7月26日
- 安室奈美恵、「延命」拒否の気迫ステージ 史上最大の引退劇が始まる — J-CAST(タケ×モリ), 2017年10月3日
- Okinawa | Facts, History, & Points of Interest — Encyclopaedia Britannica
- 安室奈美恵のファイナルツアーが4週連続1位!映像ソフト史に残る大記録を樹立 — MOVIE WALKER PRESS, 2018年9月27日
- 交通アクセス — 沖縄コンベンションセンター
- 展示棟 — 沖縄コンベンションセンター
- 沖縄コンベンションセンター 展示棟 — 文化庁(近代の文化遺産の保存と活用)
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