ラストライブとして行われた東京ドーム
BOØWY、1988年4月5日 東京ドーム「LAST GIGS」最終日
人気の絶頂で解散を宣言したBOØWYは、完成したばかりの東京ドームで2日間の「LAST GIGS」を行い、1988年4月5日の2日目を最後にステージを降りた。最後に演奏されたのは、この夜2度目の「NO. NEW YORK」だった。
公演データ
| 公演日 | [1][13][14] |
|---|---|
| 会場 | 東京ドーム(東京) |
| 公演名 | LAST GIGS [1][28][8] |
| 全日程 | 1988年4月4日、1988年4月5日 [1][14] |
| 区分 | ラストライブとして行われた |
| 終わった理由 | 解散 [1][16] |
| 出演 | 氷室京介、布袋寅泰、松井恒松、高橋まこと [1][8] |
| 観客数 | 出典により異なる出典にあるのは2日間の合計のみ。計10万人を動員・チケット10万枚(BARKS 2019、BOØWY HUNT 2019。日刊ゲンダイ2022は約10万枚)/チケット9万6500枚(現代ビジネス2021)。4月5日だけの人数は出典未確認。記事では両方の数字を出典つきで記載。[11][17][6][21] |
| 最後に演奏された曲 | 「NO. NEW YORK」 [13][14][28] |
| 演奏曲数 | 24曲 |
| 映像化 | あり [15][29] |
アーティストについて
BOØWYは、氷室京介(ボーカル)、布袋寅泰(ギター)、松井恒松(ベース、現・松井常松)、高橋まこと(ドラムス)の4人によるロックバンドだ[1]。前身の「暴威」として1981年5月11日に新宿ロフトで行った初めてのワンマンライブの客は13人で、その中には加入前の高橋もいたという[2]。1982年3月にアルバム『MORAL』でデビューし[2][1]、1986年の『JUST A HERO』でブレイクした[1]。
この年の7月2日に行った初めての日本武道館公演は、氷室のMC「ライブハウス武道館へようこそ」とともに知られている[3]。9月29日発売のシングル「B・BLUE」は最高7位で初めてトップ10に入り[4]、公式プロフィールは、このヒットが日本中にバンドブームを巻き起こしたと記している[1]。続くアルバム『BEAT EMOTION』『PSYCHOPATH』も大きなヒットになり[3]、シングル「MARIONETTE」でシングルチャート1位を獲得した[4]。
なぜ、これが最後だったのか
チャートで1位を取ったら解散する、という話は以前からメンバーの間で出ていたという[5]。高橋は、長野公演の後のホテルで解散が話し合われた夜のことを語っている。その日付は1985年12月16日[6]とも、1986年12月16日[5]とも伝えられる。
1987年12月24日、渋谷公会堂のステージで、氷室はバンドの終わりを告げた[1][7]。高橋によれば、氷室は「解散」という言葉を使わず、それぞれの道を行くと語った[6]。6年間BOØWYをやってきたと話した氷室は、「誰がなんと言おうと日本で一番カッコいいバンドだったと思います」と続けたという[7]。
プロデューサーの糟谷銑司は、渋谷公会堂までは解散を秘密にし、解散を商売にしない、と条件をつけたうえで、ファンへの感謝を込めて最後は武道館より大きな会場で、とだけ決めていた。そこへ、翌年に完成する東京ドームの話が来たという。ディレクターだった子安次郎(元東芝EMI)は、メンバーの中でBOØWYは渋谷公会堂で完全に終わっており、「LAST GIGS」は「早すぎる再結成」という位置づけだったと語る[8]。
この日について伝えられていること
「LAST GIGS」は1988年4月4日と5日の2日間、完成したばかりの東京ドームで行われた[1]。東京ドームは同年3月17日にオープニングセレモニーを迎えた、日本初の全天候型多目的スタジアムだ[9][10]。チケット争奪戦で文京区の電話回線がパンクし、2日分のチケット10万枚は10分で売り切れたという[11]。チケットは9万6500枚だったとする記事もある[6]。
ディスクガレージの中西健夫によれば、初日の終演後の打ち上げで、布袋は高橋に「IMAGE DOWN」のリズムが速かったのではないかと尋ねていた。中西は、翌日に最後を迎えるバンドがライブの中身を本気で話し合っていたと振り返る[8]。
公式の収録曲一覧によれば、本編は2日間とも「B・BLUE」から「DREAMIN'」までの同じ18曲だった。4月4日はアンコール4曲で、「ON MY BEAT」で終わった[12]。4月5日はアンコールが2回あり、最後は本編でも演奏した「NO. NEW YORK」をもう一度演奏して締めくくった[13][14]。この日の演奏は全23曲になる[15]。
4月5日、ある高校の教室の黒板には「今夜BOφWY LAST GIGS」と書かれていたと、ソニーミュージックのコラムの筆者は回想する[16]。子安は「LAST GIGS」について、5万人が同じ歌を同時に歌う光景をステージ脇から見たことが忘れられないと語る[8]。
この公演が残したもの
ライブアルバム『LAST GIGS』は公演の約1か月後、1988年5月3日に発売され、BOØWYにとって初めてミリオンを超える作品になった[11]。翌1989年には、この作品で第3回日本ゴールドディスク大賞の邦楽部門アーティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞している[17]。
映像は2001年に12曲入りで初めて発売され、2008年には11曲を加えた全23曲の『"LAST GIGS" COMPLETE』が出た[15]。2019年には、各日の2枚組とともに、両日の全曲を初めて収めたCD4枚組『LAST GIGS -THE ORIGINAL-』が発売され[14]、31年前の音源ながらデイリーチャートで1位を記録した[8]。
氷室は1988年7月にシングル「ANGEL」でソロ活動を始め[18]、同曲はオリコン1位になった[19]。布袋も同じ年に『GUITARHYTHM』でソロデビューした。2016年のライブでは、BOØWYというフォーマットに別れを告げ、自分をコピーしないところから始めた作品だと振り返っている[20]。
BOØWYは解散後、一度も再結成していないバンドとして知られる[8][21]。2011年の東日本大震災の後、氷室は東京ドームで予定していた自身の記念公演を、全編BOØWYの曲によるチャリティーライブに切り替えた[22]。布袋は公式ブログで、最も貢献できるのは再結成だと考えたが叶わなかったと明かした[22]。2019年には布袋のアルバムに松井と高橋が参加し[23]、氷室を除く3人の31年ぶりの共演になった[21]。氷室は2016年、自身最後の東京ドーム公演を同じ「LAST GIGS」の名で行い、最終日を「B・BLUE」で締めくくった[18]。
音楽ライターの土屋恵介は、80年代の日本のロックバンドが一気にBOØWYのスタイルになったほど影響は強かったと書く[24]。GLAYのTAKUROは14〜15歳のころ「B・BLUE」を聴いて衝撃を受け、すぐにCDを買いに行ったという[25]。OKAMOTO'Sは「Dancing Boy」のビデオで、BOØWYの最後のシングル「季節が君だけを変える」のビデオの形式にオマージュをささげた[26]。
4月5日の演奏が、2度目の「NO. NEW YORK」までその日のままCDで聴けるようになったのは、31年後のことだった。
- 活動期間(1981年〜1988年4月5日)
- 布袋寅泰がアルバム『GUITARHYTHM』でソロデビュー。
- ラストライブ
- ライブアルバム『LAST GIGS』(LP・CD)発売。BOØWYにとって初めてミリオンを超える作品に。
- 氷室京介がシングル「ANGEL」でソロ活動を始める(オリコン1位)。
- 『LAST GIGS』で第3回日本ゴールドディスク大賞 邦楽部門アーティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞。1年後
- 「LAST GIGS」の映像作品が初めて発売される(12曲入り)。13年後
- 未収録だった11曲を加え、セットリスト全23曲を収めた『"LAST GIGS" COMPLETE』がCDとDVDで発売。20年後
- 氷室京介が東京ドームで、全編BOØWYの曲による東日本大震災の復興支援チャリティーライブを行う(6月11日・12日)。23年後
- 映像作品6タイトルをブルーレイ化したボックス『BOØWY Blu-ray COMPLETE』発売。『"LAST GIGS" COMPLETE』も収録。24年後
- 氷室京介が自身最後の東京ドーム公演「LAST GIGS」(5月21〜23日)を終える。最後の曲はBOØWYの「B・BLUE」。28年後
- 渋谷REXで「LAST GIGS -THE ORIGINAL- SPECIAL NIGHT IN SHIBUYA」。新作の先行試聴と「LAST GIGS」の映像の上映。31年後
- 布袋寅泰のアルバム『GUITARHYTHM Ⅵ』発売。収録曲「Thanks a Lot」に松井常松と高橋まことが参加し、氷室を除く3人の31年ぶりのセッションに。31年後
- 両日の全曲を初めて収めたCD4枚組『LAST GIGS -THE ORIGINAL-』と、各日のCD2枚組が発売。31年後
本編 アンコール 最後の曲
- PROLOGUE
- B・BLUE
- ハイウェイに乗る前に
- BABY ACTION
- BAD FEELING
- 1994 -LABEL OF COMPLEX-
- DRAMATIC? DRASTIC!
- MARIONETTE
- わがままジュリエット
- LONGER THAN FOREVER
- CLOUDY HEART
- WORKING MAN
- PLASTIC BOMB
- JUSTY
- IMAGE DOWN
- BEAT SWEET
- NO. NEW YORK
- ONLY YOU
- DREAMIN'
- アンコールON MY BEAT
- BLUE VACATION
- RENDEZ-VOUS
- アンコール 2ホンキー・トンキー・クレイジー
- NO. NEW YORK
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"LAST GIGS" COMPLETE
収録曲と曲順は4月5日の公演と同じで、セットリスト全23曲を収める[^src_universal_boowy_lastgigscomplete]。同名のCD(2008年)は主に2日目のテイクを中心に両日から選んだものとされる[^src_tower_boowy_2019]。DVDの映像がすべて4月5日のものかは明記されていない。
LAST GIGS -1988.04.05-
4月5日の公演の全曲を収めたCD2枚組。両日を収めた4枚組『LAST GIGS -THE ORIGINAL-』(UPCY-9907、完全限定盤)もある[^src_tower_boowy_2019]。
出典
- BIOGRAPHY — UNIVERSAL MUSIC JAPAN(BOØWY公式プロフィール)
- 「遅っせぇ~なぁ! どうなってんだよ!」ライブハウス店長にケンカを売ったことも…才能はあるのに扱いに困った「氷室京介(63)の新人時代」 — 文春オンライン(平野悠), 2024年1月27日
- BOOWY、結成40周年記念アナログシングルBOXのジャケット写真&展開写真解禁 — THE FIRST TIMES, 2021年9月9日
- BOØWYが解散ライブ映像『1224』の“空白の40秒”で埋めた最後の真実 — Real Sound(冬将軍), 2017年12月22日
- 「氷室京介は“解散”と決して言わなかった」BOØWYドラマー高橋まことが語る「一番悲しいクリスマスイブ」 — 現代ビジネス(白鳥純一), 2021年12月24日
- BOØWYが解散ライブ映像『1224』の“空白の40秒”で埋めた最後の真実(2ページ目) — Real Sound(冬将軍), 2017年12月22日
- BOØWY話題作『LAST GIGS』が持つ歴史的価値とは? 関係者コメントを交え検証 — Real Sound(ふくりゅう), 2019年6月19日
- 東京ドームの歴史(~2005年) — 東京ドーム
- 東京ドームとは — 東京ドーム
- BOØWY、東京ドーム2DAYS『LAST GIGS』全曲初収録のアルバムを6月リリース — BARKS, 2019年3月5日
- LAST GIGS -1988.04.04- [通常盤] — UNIVERSAL MUSIC JAPAN
- LAST GIGS -1988.04.05- [通常盤] — UNIVERSAL MUSIC JAPAN
- BOΦWY、6月12日に「LAST GIGS」東京ドーム2デイズ全曲収録したアルバムをリリース — TOWER RECORDS ONLINE, 2019年3月5日
- LAST GIGS COMPLETE [DVD] — UNIVERSAL MUSIC JAPAN
- 80年代プレイバック 9 1989『バンドブーム』~ラスト80sは“世界でいちばん熱い夏”だった!~ — Sony Music(80s LOVERS、文:安川達也)
- 『LAST GIGS -THE ORIGINAL-』発売! 1988年、BOØWYの最後のGIGSが初めて完全盤として蘇る — BOØWY HUNT(BOØWY公式サイト), 2019年3月5日
- 引き際の美学 氷室京介、東京ドームでラストギグ 5万5000人が熱狂 — 神奈川新聞(カナロコ), 2016年5月23日
- 氷室京介のランキング情報 — ORICON NEWS
- 布袋寅泰、35周年を迎え『GUITARHYTHM』を“コンプリート” 熱狂の再現ライブレポート — Real Sound, 2016年4月12日
- BOØWYのパチスロ機登場でファン待望 デビュー40周年の“完全復活”に高まる期待 — 日刊ゲンダイDIGITAL, 2022年7月1日
- 布袋寅泰の願い「BOOWYの再結成を望む気持ちは皆さんと同じ」 — ORICON NEWS, 2011年4月20日
- 布袋寅泰、高橋まこと&松井常松参加の新曲「Thanks a Lot」MV公開 先行配信第2弾も開始 — Real Sound, 2019年5月16日
- BOΦWY/LAST GIGS COMPLETE 88445 — タワーレコード オンライン(商品ページ。bounce掲載レビュー:土屋恵介)
- 「60歳になったらアルバムでも出すか」 還暦を迎えた‟ロックのカリスマ"氷室京介に期する「有言実行」 — 文春オンライン(近藤正高), 2020年10月7日
- BOØWY話題作『LAST GIGS』が持つ歴史的価値とは? 関係者コメントを交え検証(2ページ目) — Real Sound(ふくりゅう), 2019年6月19日
- KYOSUKE HIMURO GIG at TOKYO DOME "We Are Down But Never Give Up!!" — Billboard JAPAN(商品ページ)
- BOOWY、ラストライブの全曲収めた4枚組アルバム「LAST GIGS」発売決定 — 音楽ナタリー, 2019年
- BOØWY「LAST GIGS」がCD&DVDで完全再生 — 音楽ナタリー, 2008年
- BOØWY 30周年リリース決定! — HMV&BOOKS online, 2012年10月4日
- 東京ドーム アクセス — 東京ドーム
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