結果的にラストライブになった北九州ソレイユホール

美空ひばり、1989年2月7日 小倉・九州厚生年金会館の最後のステージ

1989年2月7日、福岡県北九州市小倉の九州厚生年金会館。全国ツアーの2日目に行われた昼夜2回の公演が、美空ひばりの生涯最後のステージになった。1か月足らず前に出た最後のシングル「川の流れのように」も歌われ、この日の歌声はライブ盤として残っている。

ホールのステージの中央に1本のスタンドマイクが立ち、ステージの奥から客席の手前まで、川の流れのような光の帯がゆるやかに続くイラスト
イメージイラスト一本のマイクと、川の流れのような光の帯。

公演データ

公演日 [3][6]
会場北九州ソレイユホール(福岡県北九州市)公演当時の名称は九州厚生年金会館
公演名 要確認1989年の全国ツアーの1公演。公式サイトの年譜は「'89全国ツアー」と書くだけで、公演名・ツアー名は見つかっていない。公式の音源作品の題は『歌は我が命 1989 in 小倉 〜美空ひばりラスト・オン・ステージ「さよならの向うに」〜』(日本コロムビア)。参考値:Wikipediaはツアー名を「歌は我が命」としている。[3][6][16]
全日程1989年2月6日、1989年2月7日 [3]
区分結果的にラストライブになった
ラストライブになった理由死去 [3][1][6]
出演美空ひばり [3][6]
観客数 要確認観客数を示す公式発表・報道は見つからなかった。
最後に演奏された曲 要確認参考値:公式のライブ盤(2005年、2024年再発売)の最後のトラックは「さよならの向うに」で、2024年盤の副題にもこの曲名が入っている。昼夜どちらの公演の録音か、当日最後に歌われた曲かは、公式の資料では確認できていない。[6]
演奏曲数20曲 (一部のみ判明)セットリストを見る ↓
映像化 要確認この公演の映像作品は確認できていない。音源は2005年にCD『歌は我が命 1989 in 小倉』として発売され、2024年に副題を付けて再発売された(日本コロムビア)。

アーティストについて

美空ひばりは、1937年5月29日に横浜市磯子区で生まれた[1]。日本コロムビアによれば、1945年12月に地元の杉田劇場で初舞台を踏み、1949年に「河童ブギウギ」でレコードデビューした[1]。同じ1949年には映画『悲しき口笛』に主演し、同名の主題歌がヒットして、コロムビアの専属歌手になった。映画にも数多く出演し、『新撰 芸能人物事典』によれば出演作は157作品にのぼる[2]。

代表曲には「リンゴ追分」「柔」「悲しい酒」などが挙げられ、1954年には『NHK紅白歌合戦』に初めて出場した[2]。日本レコード大賞では、1960年に「哀愁波止場」で歌唱賞を、1965年に「柔」で大賞を受けている。日本コロムビアによれば、生涯に録音した曲は1500を超える[1]。

なぜ、これが最後だったのか

1988年4月11日、ひばりは東京ドームで「不死鳥 〜翔ぶ!!新しき空へ向かって〜」と題した公演を開いた[1]。公式サイトによれば、この日は39曲を歌い、観客は5万人にのぼった。5月25日からは、福岡サンパレスホールを皮切りに全国13か所を回るコンサートも始まっている[3]。

1989年1月11日には、作詞・秋元康、作曲・見岳章の「川の流れのように」が発売された。日本コロムビアは、これを美空ひばり最後のシングルとしている[4]。息子の加藤和也によれば、当初は別の曲をシングルにする予定だったが、ひばり自身の希望でこの曲に変わったという。秋元康を起用したのも、若い世代にもファンを広げたいという、ひばりの思いからだったと語っている[5]。

公式サイトの年譜によれば、1989年の全国ツアーは2月6日、福岡サンパレスホールでの昼夜2回の公演で始まった。翌7日は小倉の九州厚生年金会館で、やはり昼と夜の2回の公演が行われた[3]。

だが、この小倉の公演が、ひばりの生涯最後のコンサートになった。3月21日にはニッポン放送の10時間のラジオ番組「美空ひばり、感動のこの一曲」に自宅から出演し、3月23日には、4月17日に予定していた横浜アリーナ公演の中止が発表された[3]。ひばりは1989年6月24日、52歳で死去した[3][1]。小倉の公演は最後と告知されたものではなく、日本コロムビアは、このコンサートがステージからファンに届けた最後の公演になったと書いている[6]。

この日について伝えられていること

九州厚生年金会館は、北九州市小倉北区大手町にあるホールで、1984年4月に建てられた[7]。現在の大ホールの客席は2,008席ある[8]。公式サイトの年譜は、この日の公演を昼夜2回と記している[3]。

公演は録音され、2005年にCD『歌は我が命 1989 in 小倉』として発売された。2024年5月29日、ひばりの誕生日には、「美空ひばりラスト・オン・ステージ「さよならの向うに」」という副題を付けて再発売されている。日本コロムビアは、この公演を「幻のラストコンサート」と紹介している[6]。

CDは2枚組で、20トラックが収められている。1枚目は「オープニングメドレー」に始まり、「真赤な太陽」「港町十三番地」「みだれ髪」などの11トラック。2枚目は「悲しい酒(セリフ入り)」から「川の流れのように」「愛燦燦」「人生一路」などを経て、「さよならの向うに」で終わる9トラックだ[6]。「川の流れのように」は、発売から1か月足らずでこのステージで歌われたことになる。曲目の表記によれば、いくつかのトラックには、ひばりのMC(曲の合間の語り)も入っている[9]。

ただし、昼と夜のどちらの公演の録音か、当日の曲順どおりか、すべての曲が収められているかは、商品の説明には書かれていない[6]。この日のセットリストや、最後に歌った曲を記した公式の資料も見つかっていない。ライブ盤の最後のトラックで、副題にも名前のある「さよならの向うに」が当日の最後の曲だったかどうかは、確認できていない。

この公演が残したもの

ひばりには、没後の1989年7月、女性として初めて国民栄誉賞が贈られた[1][3]。国民栄誉賞は1977年にできた、内閣総理大臣が贈る賞で、『日本大百科全書』は、ひばりの受賞理由を、歌謡曲を通じて国民に夢と希望を与えた功績としている[10]。「川の流れのように」は、この年の第31回日本レコード大賞で金賞を受けた[2]。

小倉の録音が世に出たのは、公演から16年後の2005年だった[6]。没後30年の2019年には、誕生日の5月29日に「川の流れのように」が12cmCD、8cmCD、カセットテープ、7インチのアナログ盤で復刻され[4]、長男で「ひばりプロダクション」社長の加藤和也は、生涯の売り上げが1億枚を超えたと発表した[11]。同じ年の9月29日には、AIで歌声をよみがえらせる試みを追ったNHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」が放送され、その試みで秋元康がプロデュースした新曲「あれから」は、12月18日に発売された[12][13]。

会場の九州厚生年金会館は、2010年に北九州市が取得し、北九州ソレイユホールの名で使われてきた[7][14]。北九州市によれば、開館から約40年がたって老朽化が進んだため、2025年4月1日から休館し、改修に向けた調査をしている[15][8]。

ひばりが最後に立った小倉のステージは、2枚のCDに録音として残されている。

セットリスト

20曲 · 一部のみ判明 要確認[6][9]
1. オープニングメドレー2. 真赤な太陽3. ひとり旅〜「リンゴ追分」入り〜4. 車屋さん5. 港町十三番地6. 髪7. 夾竹桃の咲く頃8. 芸道一代9. われとわが身を眠らす子守唄10. NANGIやね11. みだれ髪12. 悲しい酒(セリフ入り)13. もやい酒14. 背中15. ハハハ16. 川の流れのように17. 愛燦燦18. むらさきの涙19. 人生一路20. さよならの向うに

本編 最後の曲

  1. オープニングメドレー · 曲順は公式のライブ盤『歌は我が命 1989 in 小倉』の収録順。昼夜どちらの公演の録音か、当日の演奏順・全曲どおりかは要確認。メドレーの曲目は商品の曲目表記からは分からない
  2. 真赤な太陽
  3. ひとり旅〜「リンゴ追分」入り〜
  4. 車屋さん
  5. 港町十三番地
  6. 髪
  7. 夾竹桃の咲く頃
  8. 芸道一代
  9. われとわが身を眠らす子守唄
  10. NANGIやね
  11. みだれ髪
  12. 悲しい酒(セリフ入り) · 2枚目の最初のトラック。楽天ブックスの曲目表記では、1番と3番の2コーラスを歌唱し、MCを含む
  13. もやい酒 · 楽天ブックスの曲目表記ではMCを含む
  14. 背中
  15. ハハハ
  16. 川の流れのように · 日本コロムビアによれば、1989年1月11日発売の最後のシングル
  17. 愛燦燦 · 楽天ブックスの曲目表記では、MCを含み、1番と3番の2コーラスを歌唱
  18. むらさきの涙
  19. 人生一路
  20. さよならの向うに · ライブ盤の最後のトラック

もうひとつの終演を読む

最後だと知られずに迎えた夜が、ほかにもあります。

年表活動期間・ラストライブ・その後の出来事を、出典で確認できたものだけ並べています。
195019601970198019902000201020201989年3月21日 ニッポン放送の10時間のラジオ番組「美空ひばり、感動のこの一曲」に自宅から出演。1989年3月23日 4月17日に予定していた横浜アリーナ公演の中止を発表。1989年6月24日 美空ひばりが52歳で死去。1989年7月 女性で初めて国民栄誉賞を受ける。2005年 この日の公演を収めたCD『歌は我が命 1989 in 小倉』(2枚組)発売。2010年 北九州市が九州厚生年金会館を取得。のちに北九州ソレイユホールの名で運営される。2019年 長男の加藤和也が、生涯の売り上げが1億枚を超えたと発表。2019年5月29日 「川の流れのように」を、12cmCD・8cmCD・カセットテープ・7インチのアナログ盤で復刻。2019年9月29日 NHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」放送。2019年12月18日 AIで再現した歌声による新曲「あれから」発売。2024年5月29日 副題「美空ひばりラスト・オン・ステージ「さよならの向うに」」を付けて、この日の公演のCDを再発売。2025年4月1日 会場だった北九州ソレイユホール(旧九州厚生年金会館)が、老朽化調査のため休館。1989年2月7日19601980200020201989年3月21日 ニッポン放送の10時間のラジオ番組「美空ひばり、感動のこの一曲」に自宅から出演。1989年3月23日 4月17日に予定していた横浜アリーナ公演の中止を発表。1989年6月24日 美空ひばりが52歳で死去。1989年7月 女性で初めて国民栄誉賞を受ける。2005年 この日の公演を収めたCD『歌は我が命 1989 in 小倉』(2枚組)発売。2010年 北九州市が九州厚生年金会館を取得。のちに北九州ソレイユホールの名で運営される。2019年 長男の加藤和也が、生涯の売り上げが1億枚を超えたと発表。2019年5月29日 「川の流れのように」を、12cmCD・8cmCD・カセットテープ・7インチのアナログ盤で復刻。2019年9月29日 NHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」放送。2019年12月18日 AIで再現した歌声による新曲「あれから」発売。2024年5月29日 副題「美空ひばりラスト・オン・ステージ「さよならの向うに」」を付けて、この日の公演のCDを再発売。2025年4月1日 会場だった北九州ソレイユホール(旧九州厚生年金会館)が、老朽化調査のため休館。1989年2月7日
  1. 活動期間(1949年〜1989年2月7日)
  2. ラストライブ
  3. ニッポン放送の10時間のラジオ番組「美空ひばり、感動のこの一曲」に自宅から出演。
  4. 4月17日に予定していた横浜アリーナ公演の中止を発表。
  5. 美空ひばりが52歳で死去。
  6. 女性で初めて国民栄誉賞を受ける。
  7. この日の公演を収めたCD『歌は我が命 1989 in 小倉』(2枚組)発売。16年後
  8. 北九州市が九州厚生年金会館を取得。のちに北九州ソレイユホールの名で運営される。21年後
  9. 長男の加藤和也が、生涯の売り上げが1億枚を超えたと発表。30年後
  10. 「川の流れのように」を、12cmCD・8cmCD・カセットテープ・7インチのアナログ盤で復刻。30年後
  11. NHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」放送。30年後
  12. AIで再現した歌声による新曲「あれから」発売。30年後
  13. 副題「美空ひばりラスト・オン・ステージ「さよならの向うに」」を付けて、この日の公演のCDを再発売。35年後
  14. 会場だった北九州ソレイユホール(旧九州厚生年金会館)が、老朽化調査のため休館。36年後

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  • 歌は我が命 1989 in 小倉 〜美空ひばりラスト・オン・ステージ「さよならの向うに」〜

    歌は我が命 1989 in 小倉 〜美空ひばりラスト・オン・ステージ「さよならの向うに」〜

    収録範囲は要確認CD · 発売 2024年5月29日 · 品番 COCP-42261/2

    CD2枚組・20トラック(45分15秒/39分34秒)。1989年2月7日の九州厚生年金会館の公演を収める(日本コロムビア)が、昼夜どちらの公演の録音か、全編かどうかは商品の説明に書かれていない。2005年発売の『歌は我が命 1989 in 小倉』(COCP-33249/50)と同じ内容。

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出典

  1. 美空ひばり プロフィール — 日本コロムビア (確認日 2026-10-15)
  2. 美空ひばり — コトバンク(日本大百科全書(ニッポニカ)、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、デジタル版 日本人名大辞典+Plus、20世紀日本人名事典ほか) (確認日 2026-10-15)
  3. プロフィール — 美空ひばり 公式ウェブサイト (確認日 2026-10-15)
  4. 川の流れのように【12cmCD】 — 日本コロムビア (確認日 2026-10-15)
  5. 美空ひばり息子が語る…発売30年「川の流れのように」誕生秘話 — 琉球新報デジタル, 2019年1月11日 (確認日 2026-10-15)
  6. 歌は我が命 1989 in 小倉 〜美空ひばりラスト・オン・ステージ「さよならの向うに」〜 — 日本コロムビア (確認日 2026-10-15)
  7. 旧九州厚生年金会館大規模改修事業等に関するサウンディング調査 実施要領 — 北九州市 市民文化スポーツ局, 2021年12月22日 (確認日 2026-10-15)
  8. 芸術文化施設 — 北九州市, 2026年9月11日 (確認日 2026-10-15)
  9. 歌は我が命 1989 in 小倉〜美空ひばりラスト・オン・ステージ「さよならの向うに」〜 — 楽天ブックス (確認日 2026-10-15)
  10. 国民栄誉賞 — コトバンク(日本大百科全書(ニッポニカ)、デジタル大辞泉ほか) (確認日 2026-10-15)
  11. 美空ひばりさん、生涯売上枚数が1億枚を突破 ファンからも惜しみない拍手 — ORICON NEWS (確認日 2026-10-15)
  12. AIでよみがえった美空ひばりが新曲披露コンサート、その舞台裏をNHKでオンエア — ぴあ(音楽ナタリー), 2019年9月27日 (確認日 2026-10-15)
  13. 美空ひばり(AI歌唱)「あれから」2019年12月18日発売! — 日本コロムビア (確認日 2026-10-15)
  14. 旧九州厚生年金会館の管理運営事業者の更新について — 北九州市 市民文化スポーツ局, 2020年1月16日 (確認日 2026-10-15)
  15. 北九州ソレイユホール及びザ・スティール・ハウス(旧九州厚生年金会館)の休館について — 北九州市 都市ブランド創造局, 2024年9月6日 (確認日 2026-10-15)
  16. 美空ひばり — Wikipedia(日本語) (確認日 2026-10-15)

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